DETAIL
ポーランド北東部の小さな村、ヤノフ村の伝統的な織物です。
18世紀から村の女性達が代々受け継いできたこの二重織りの織物は、羊毛を洗い糸車で糸を紡いで、大きな織り機を使って手織りで作られてきました。
図案集や作り方の手引書もないヤノフ村の織物は、織り手が完成図を頭の中でイメージし、織りながら作っていく、それぞれの織り手独自の織物です。
モチーフには、ポーランドの森の動物達や、伝統的な花や木々、やさしく素朴な村の生活が生き生きと描かれています。
途方も無い時間をかけてつくる織物には手仕事の魅力と温かみがたっぷり詰まっていますが、残念ながら現在この織物を織ることができる人は数える程しかいません。
こちらの織物を織ってくださったのは、村一番のベテランのテレサ・プリズモントさん。
10代の頃から織りをはじめ、84歳になった現在も現役で、朝4時に起きて糸を紡ぎ、6時から17時までは織り機に向かう生活をなさっています。
ポーランドの伝統工芸家などに国から送られる最も栄えある賞、オスカル・コルベルグ賞も受賞なさっている方です。
こちらのタペストリーは、クリスマスキャロルを歌う、仮装した聖歌隊が描かれています。
この仮装行列は、スラブ地域の土着の風習で、冬の死神や悪魔、トゥロンと呼ばれる繁栄の象徴のヤギ、ヘロデ王やベツレヘムの一番星を持った子などが村の家を回ります。
今もこの地域で行われている行事を織り込んだ一枚です。
テレサさん自らが紡いだ糸が経糸にも緯糸にも使われています。
細い手紡ぎ糸で織る作業はとても難しく、糸が細い分なかなか織りあがらないため時間はかかりますが、その分とても繊細で細かい図案の織物に仕上がります。
ベテランのテレサさんの織物ならではの美しさがあります。
新品ですが、手織りの織物ですので多少の歪みなどはございます。
また二重織りは、表裏2面に経糸をはり、緯糸を交替で織って作られた複雑な織物です。
写真ではこの微妙な色合いが再現できていないと思いますが、ご了承くださいませ。
小さな織りミスがある場合もございますが、手織りの味としてお楽しみください。
サイズ:約 幅80cm×長さ130cm