DETAIL
チェコスロヴァキア時代にLoucky社が製造したヴィンテージの食器です。
美しいラインがスタイリッシュな形のこちらは、ヤロスラフ・イェジェクというデザイナーがデザインしたもの。
イェジェクは斬新でモダンな陶器のデザインをしていたことで、世界的に評価の高いデザイナーです。
1958年、第二次世界大戦後初めて開催された国際博覧会「ブリュッセルエキスポ」にチェコスロヴァキア政府は強い情熱を注いで参加しました。
共産主義体制へと変化した政府にとって、このエキスポで成功をすることが新政府の成功を意味していたのでしょう。
万博のテーマ「科学文明とヒューマニズム」を表現するために多くのデザイナーを起用し、近未来的で斬新な家具や陶器、オブジェなどたくさんの作品が生み出されました。
イェジェクはこの時、なめらかな流線形で無駄をそぎ落として表現した動物のオブジェなどを発表し好評を得ます。
万博のために作られた作品は基本的には一般には流通しませんでしたが、イェジェクの陶磁器はその後メーカーにより製造されることになり、1960年代にかけて広く活躍します。
このコーヒーセットは1966年に発表されたSidoniaというシリーズで、同じ形で複数の図柄が製造されました。
曲線と直線がうまく組み合わせられているデザインで、今見てもモダンでスタイリッシュです。
残念ながらフルセットではありませんが、シュガーポットだけでもその美しさが十分堪能できます。
古いものですので経年による多少のスレや傷み、釉薬や陶器のムラがございます。
蓋の深いグリーンのペイントを施すときに小さな気泡が入ってしまったようで、表面が少しザラザラとしています。
またじっくりと見ないと分からない程度ですが、内側の底におそらく金色のペイントのインクが混ざり込んでしまったようで、ところどころ黄色い点や線がございます。
製造時にできたと思われる底の高台の細かいカケや、焼成時にできる小さなそばかすのような点も見られますが、古いものの味わいとしてお楽しみください。
比較的良い状態のものを選んでご紹介しており、あまり使用感は感じられませんが、ユーズドの食器です。
ご了承くださいませ。
サイズ：約 高さ8.2cm×横9.9cm×厚み8.1cm
