DETAIL
型に溶かしたガラスを流し込み圧をかけて成型するプレスガラスという手法で作られた小物入れです。
どっしり重いプレスガラスならではの重量感と、厚みのあるガラスの質感がとても魅力的です。
同じ手法で現在も製造することが可能なため、製造年をはっきりと特定することは難しいのですが、こちらはおそらく1960年代に製造されたものだと思います。
チェコスロヴァキア時代だった60年代、多くのプレスガラスのアイテムが作られ、「ボヘミアクリスタル」のラベルが貼られ海外へ輸出されていました。
不透明な緑色は1930年代に鉱石マラカイトを模して作られたボヘミア地方独特の色です。
当時は本物のマラカイトの粉末を混ぜて出していた色らしく、チェコでは「マラカイトガラス」と呼ばれています。
製造時のガラスの流し込み具合で一つ一つ色の出方が微妙に異なるところも魅力です。
使用感はあまりありませんが、蓋の縁に細かなカケが多々ございます。
アタリ傷というよりは、製造時にプレスした際に縁にできたバリが多く、薄くはみ出た部分がガタガタしているという感じです。
手が切れてしまう危険はなさそうですが、縁をなでると引っ掛かりを感じます。
古いものならではの味としてお楽しみください。
サイズ:約 直径8.5cm×高さ8cm