チェコのアンティークショップで買い付けたMoser/モーゼル社製のグラスです。
モーゼルはボヘミアガラスの最高峰とも言われるガラス会社で、カルロヴィ・ヴァリにある本社にはミュージアムが併設されており、また誰でも工場を見学できるツアーもあります。
モーゼルのガラスには、一般的なクリスタルガラスに使用されている鉛ガラスではなく、炭酸カリなどを用いた無鉛のカリクリスタルが使われています。
また古くから「ジェムストーンカラー」と呼ばれる貴石をイメージしたカラー展開があり、自然光の下では紫色に見え、蛍光灯の下では水色に見えるガラスを、「アレキサンドライトガラス」と呼んだのは、モーゼルが最初だとも言われています。
アレキサンドライトガラスは、ガラスに酸化ネオジウムを混ぜることで作られていますが(鉱石のアレキサンドライトを含んでいるわけではありません)、このカラーチェンジは酸化ネオジウムが黄色の光を吸収する性質を持っているため起こります。
〇自然光(赤青緑をほぼ均等に含む)→黄色が吸収され赤青青となり、青っぽい紫色に見える
〇白熱灯(赤黄+少量の緑青を含む)→黄色が吸収され赤+少量の青となり、赤っぽい紫色に見える
〇蛍光灯(青+少量の緑黄色を含む)→黄色が吸収され青色のみが残り、青色に見える
カラーチェンジの理屈は解析されていますが、その色変化は何度見ても不思議で心を奪われます。
チェドック通販サイト内にて、ウランガラスやアレキサンドライトガラスを集めたページはこちら☆
モーゼルの製品は種類が多く、また作品を作る木型は長く保管されているため、このグラスが何年代に作られたものなのかはっきりとしたことは分かりませんが、オールドシリーズとして近年復刻されていたディプロマットシリーズによく似ています。
モーゼルの工場へは私も行ったことがありますが、熱い炉で溶かした吹き、ガラスを木型を使い徐々に成型し、その後カットや研磨をして完成します。
全ての過程でその過程のマイスターが作業をし、何人もの職人の手を経て完成します。
小さなグラスから大きな花瓶まで、全てハンドメイドです。
古いものですので、経年による多少のスレが傷がございます。
パッと見て分かる大きな傷はございませんが、状態が気になる方は浅草の実店舗にご来店いただき実物をご覧くださいませ。
ご了承ください。
サイズ:約 縦10.4cm×横6.3cm×厚み6.3cm