DETAIL
ポーランド北東部の小さな村、ヤノフ村の伝統的な織物です。
18世紀から村の女性達が代々受け継いできたこの二重織りの織物は、羊毛を洗い糸車で糸を紡いで、大きな織り機を使って手織りで作られてきました。
図案集や作り方の手引書もないヤノフ村の織物は、織り手が完成図を頭の中でイメージし、織りながら作っていく、それぞれの織り手独自の織物です。
モチーフには、ポーランドの森の動物達や、伝統的な花や木々、やさしく素朴な村の生活が生き生きと描かれています。
途方も無い時間をかけてつくる織物には手仕事の魅力と温かみがたっぷり詰まっていますが、残念ながら現在この織物を織ることができる人は数える程しかいません。
こちらの織物を織ってくださったのは、ヘレナ・プリズモントさん。
叔母であり、村一番のベテランであるテレサ・プリズモントさんについて織物を始めた方で、民芸家協会にも最短で登録され、ヤノフの未来を担っていってくれるであろう存在です。
こちらは、ヤノフ村の織物にて伝統的に織られているテーマ「生命の樹」のデザインで、中央に大きな幹があり、枝葉が広がり、その周りに動物が織り込まれています。
テーマは伝統的なものですが、それをどう織るかは織り手さんの自由で、木の根や木の実も織り込まれ、密にバランスよく仕上げられたこちらは、ヘレナさんならではのセンスが光ります。
経糸にも緯糸にも手紡ぎ糸が使われており、とても風合いの美しい1枚です。
新品ですが、手織りの織物ですので多少の歪みなどはございます。
また二重織りは、表裏2面に経糸をはり、緯糸を交替で織って作られた複雑な織物です。
写真ではこの微妙な色合いが再現できていないと思いますが、ご了承くださいませ。
小さな織りミスがある場合もございますが、手織りの味としてお楽しみください。
サイズ:約 横39cm×縦59cm