DETAIL
チェコスロヴァキア時代にSkloUnionとして作られた花瓶です。
チェコのボヘミア地方で、アートガラスがたくさん作られるようになった1920年代から現在まで、チェコガラス界では本当に多くの花瓶が作られてきました。
溶かしたガラスを型に流し込んで圧力をかけて成形するプレスガラス。
プレスガラスは元々ハンドカットガラスを安価に大量生産するための手法として1830年代に始まりましたが、チェコでは1920年代からプレスガラスならではの美しさを追求したデザインが生み出されるようになりました。
戦後の政治体制変化を経て、1950年代から再度プレスガラスのデザインは発展し、1965年4月1日にプレスガラスを製造するガラス工房を統合した会社SkloUnionが設立されます。
SkloUnionは、美術やデザインを専門に学んだデザイナーと、ガラスを製造する工房が手を組み、プレスガラス製法の魅力を最も引き出す事を目的としたプロジェクト・会社でした。
SkloUnionのアイテムは、近年チェコ国内はもちろん国外でも改めて注目を集めています。
こちらの花瓶は、Rudolf Jurnikl(1928-2010)がデザインしたもの。
Rudolf Jurniklは、プレスガラスのデザイナーとして最も著名な人のうちの一人で、SkloUnionのおかかえデザイナーとして多くの作品を残しています。
1970年の大阪万博には彼の作品である「太陽」が展示され、そのモデルはのちに「大阪」と改名されました。
こちらの花瓶はRudolf Jurniklの作品の中でも代表的なデザインのうちのひとつで、「Marguerites」と名付けられたシリーズで、花瓶の他にも灰皿や小物入れなどが作られていました。
もちろんSkloUnionに関する書籍にも掲載されています。
古いものですので、経年による傷や汚れがございます。
実際に花瓶として使用していたことがあるようで、内側が少し白く濁っている部分がございます。
プレスガラスは、型に溶かしたガラスを流し込み圧力をかけて整形するものですが、機械化されていたわけではなく全て手作業です。
この花瓶も近くで見るとガラスのゆらぎや小さな気泡がございますが、それもまた美しいです。
手作りならではの味としてお楽しみください。
サイズ:約 縦13.8cm×横7cm×厚み7cm