DETAIL
チェコスロヴァキア時代にSkloUnionとして作られた花瓶です。
チェコのボヘミア地方で、アートガラスがたくさん作られるようになった1920年代から現在まで、チェコガラス界では本当に多くの花瓶が作られてきました。
溶かしたガラスを型に流し込んで圧力をかけて成形するプレスガラス。
プレスガラスは元々ハンドカットガラスを安価に大量生産するための手法として1830年代に始まりましたが、チェコでは1920年代からプレスガラスならではの美しさを追求したデザインが生み出されるようになりました。
戦後の政治体制変化を経て、1950年代から再度プレスガラスのデザインは発展し、1965年4月1日にプレスガラスを製造するガラス工房を統合した会社SkloUnionが設立されます。
SkloUnionは、美術やデザインを専門に学んだデザイナーと、ガラスを製造する工房が手を組み、プレスガラス製法の魅力を最も引き出す事を目的としたプロジェクト・会社でした。
SkloUnionのアイテムは、近年チェコ国内はもちろん国外でも改めて注目を集めています。
こちらの花瓶は、Vaclav Hanus(1924-2009)がデザインしたもの。
木目模様のような凹凸が入ったこの花瓶は、Vaclav Hanusのデザインの中でも代表的なもので、ヤブロネッツにあるガラス美術館に展示もされています。
Vaclav Hanusは、チェコのプレスガラスの父と呼ばれ、またSkloUnionの創立者のひとりであるRudolf Schrotterの元で働き、その後40年以上にわたってヤブロネッツでデザイナーとして活躍した人です。
古いものですので、経年による傷や汚れがございます。
残念ながら上部に7mmほどの大きなカケが1か所、その近くに1mm未満の小さなカケが2か所ございます。
製造時にバシッとカットして研磨している箇所なので、多少処理の粗さが感じられます。
そのほか、実際に花瓶として使用されていたようで、内側上部にガラスのくすみがございます。
お値段に反映しておりますので、ご了承ください。
プレスガラスは、型に溶かしたガラスを流し込み圧力をかけて整形するものですが、機械化されていたわけではなく全て手作業です。
この花瓶も近くで見ると小さな気泡やガラスのゆらぎなどがございますが、それもまた美しいです。
手作りならではの味としてお楽しみください。
サイズ:約 縦24cm×横6.2cm×厚み6cm